前夜の雪の残る演奏会の朝でした。9時からの会場準備、リハーサルのために小平市中央公民館ホールにメンバーが集まりました。本日の出演者はH氏、A氏、I氏、MA氏、F氏、SIさん、Mさん、そしてわたしの8名です。録音用のセッティング、ステージの準備、譜面台のチェック、ライティング確認、休憩の時の茶菓準備、受付、写真撮影、ビデオ撮影などの準備と、再度の進行確認、進行練習、楽器セッティングなどを行い、リハーサルを終えて準備が整ったのは開演30〜40分前でした。
雪の残る中、お客様がどのくらいいらしてくださるか心配でしたが、足下が悪いにもかかわらず、たくさんのお客様がいらしてくださって、演奏する方も大変にやりがいがありました。今回の演奏会はわたしにとってはTMAに入ってから3度めの演奏会となります。1度め、2度めとそれぞれの演奏会でわたしにとっての課題があり、1年間の練習の成果を発表するチャンスでもあるわけですので、今度の3度めの演奏会では、リコーダーを吹き始めてから3年になることを意識して、演奏会に取り組もうと思っていました。今回の演奏会ではソプラノからバスまでの楽器をあれこれと持ち替えて、全部で22曲のうち16曲を演奏することになりました。新しく購入したバスリコーダーの出番も多く、とても嬉しい気持ちでした。
演奏では楽器の持ち替えを頻繁に行うので、楽器をどこにどのように置いて準備すればよいかをずいぶん考えたのですが、アムステルダム・ルッキ・スターダスト・カルテットのステージのように、使用する楽器を舞台上に並べ、曲ごとに使用する楽器を持ち替えながら演奏するスタイルにしました。ステージに楽器を並べる方法にしても、お客様に楽器がよく見えるように、ステージの前の方に赤い敷物を敷いた上にリコーダーを置き、そこから各々が楽器をとって席を移動し、座って演奏するようにしてみました。赤い敷物は膝掛けを4枚利用し、敷物がずれたり動いたりしないようにテープで固定して、その上に各自の使用する楽器を置くようにしたのです。ステージにきちんときれいに並べられた30本くらいリコーダー。こうやって一同に会するリコーダーを眺めると、みんないろいろな楽器が増えたなぁ、と思いました。そうやって準備したステージへ出演者が登場し、我々TMAのテーマミュージックとしているダウランドの「ジョージ・ホワイトヘッド氏のアルマンド」の演奏で演奏会が始まりました。
「世紀の移り変わり」
0.ホワイトヘッド氏の アルマンド(ダウランド) Sn,S,A,A,T,T,B,GB【全員】
1.Qui es promesses-Ha! Fortune-Et non est que adjuvet(マショー)
B,A,GB【わたし、SI、I】
2.ばらの花にゆりの花(マショー) A1,A2,T1,T2,B,Pc【A、M、わたし、SI、I、MA】
3.もし私の顔が青いなら(デュファイ) S1,S2,A,B【A、わたし、M、I】
4.陽の輝きを装われた、美しい処女マリアよ(デュファイ) T,B,GB【A、I、H】
5.よき月、よき年と、そしてよき贈り物(デュファイ) S,T1,T2【A、I、H】
6.アヴェ・マリア(デ・プレ) S,T1,T2,B【わたし、MA、A、SI】
7.舞曲集(スザート) Sn,S,A,T/A,T,T,B/A,B,B,B Pc【A、I、わたし、F、MA】
8.緑の羊飼い娘よ(バスケス) S,A,T,B【I、わたし、SI、MA】
9.日々罪を犯したるわれを(モラレス) S,A,T,B【A、M、MA、SI】
10.よりよき生活のうちに(モラレス) S,A,A,T,GB【A、M、MA、SI、I】
11.第三旋法のテント(パイヴァ) S,A,T,B【わたし、A、SI、I】
退場 〜〜 休 憩 〜〜
12.5声のマドリガル(マレンツィオ) S,A,T,T,B【わたし、A、SI、MA、I】
13.古いスパニョレッタ(ファーナビ) S,A,T,B【I、F、SI、わたし】
14.La belle Aronde(ジュヌ) S,A,T,B【I、F、SI、わたし】
15.元気を出して(コストレ) S,A,T,B【I、F、SI、わたし】
16.舞曲集(ホルボーン) S,A,A,T,B【H、I、M、わたし、SI】
17.二重奏曲(1598)(ガストルディ) A,B【I、A】
18.5声のマドリガル 冬の悲しみが短くなるように(ウィルクス)
S1,S2,A,T,B【I、わたし、M、SI、A】
19.美しいフィリス(ファーマー) S1,S2,T,B【H、A、I、わたし】
20.アマリリ麗し(カッチーニ) S,A,T,B【A、M、MA、わたし】
21.2つのフルートのためのソナタop.1-1(ブラヴェ) A,A【H、I】
22.いにしえの涙、いつも悲しいダウランド、
ホビー氏のガリアルド(ダウランド) S,A,A,T,B,Lu【H、A、F、わたし、SI、MA】
21世紀初めの演奏会にあたって、演奏会のテーマは「世紀の移り変わり」として世紀の境目に生まれた作曲家の曲、境目に誕生した曲、境目に没した作曲家の曲などを時代順にとりあげて演奏しました。いつものようにH氏が司会進行および曲の解説を担当。演奏者が曲ごとに楽器を持ち替えて席を移動するのはかなりスムーズにできたので、進行表を作ってよかったなぁと思いました。
肝心の演奏については、もっと曲を研究して演奏することが必要です。アンサンブルと言えども、自分の役割を理解した上で、ひとりひとりが歌うべきところをもっと歌うべきでありましょう。それにはもっと十分な吹き込みが必要でしょうし、曲に慣れ親しむことも必要でしょう。
失敗と言えるものもいくつもあったのですが、ミスからの立ち直りや復活ということに向けて諦めないこと、気を強く持つこともステージでの態度としては大事だなと思ったものです。ドキドキ、ブルブルといった緊張は前よりも少なくなってきました。集中することと共に、余計な緊張を取り去ることは演奏する上ではわたしにはとても大切なことです。この集中はわたしにはとても意味のあることで、生きている証とも言えるものなのです。集中して演奏するときは、自分を忘れているのですね。その場、その時しかない・・・。ステージの上で、少しでもそんな時間を過ごすことが出来たのはわたしの3度めの演奏会としては大きな成功であり、進歩だったと思います。
足下の悪い中を聞きにきてくださったお客様に、本当に本当に感謝いたします。ありがとうございました。
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